旅行業界は苦境に立たされている状況ですが、就職活動をしてもいいのだろうか。
そんな不安な思いを抱えていませんか?
私は旅行会社2社を経験し、2020年まで海外専門の旅行会社で働いていました。そして実際に会社の経営不振によって契約解除、つまりクビになった者の1人です。
今回はそんな私の経験と現在も旅行会社で働く同僚に聞いた情報から、旅行会社に就職する難易度について解説していきます!
この記事はこんな悩みがある人におすすめ
- 現在大学3年生で就職活動を控えている
- 将来的に旅行会社に就職したい
- 旅行業界に就職したいけど時期的に就職できるか不安
- 旅行会社の経営が危ないって本当?
- 入社しても仕事が無さそうで不安…
- 実際に働いてる人のリアルな声が知りたい!
結論:今すぐに旅行会社に就職するのは危険
結論から言うと、この先1〜2年の間に旅行会社に就職するのはおすすめしません。
その大きな理由は、現状多くの若手〜中堅スタッフが旅行会社を辞めて、他業種へ転職しているからです。
さらに、すでに新卒で旅行会社に入社したスタッフに関しても、旅行の手配はもちろん、研修すら満足にできていないというのが現状です。
つまりこの先1〜2年で旅行会社で何が起きるかと言うと
- コロナ禍で変わった現地情報の整理(現地の人材・手配方法など)
- スタッフ1人あたりが教育しなければならない新入社員の数が増える
このことから、スタッフ1人あたりの負担はかなり大きくなることが予想されます。
旅行会社に就職するなら2025年以降がおすすめ
この先1〜2年の間で旅行会社に就職したとしても、すぐに十分な教育が受けられるとは考えられません。
「旅行が好きだから、人のために素敵な旅行を作ってあげたい」と思っている人
そんな人こそ、しっかりと研修や教育を受けられるように、旅行会社の体制が整った後に就職するのがおすすめです。
実際、ここ数年で入社したスタッフは出向先で旅行とは別の仕事をしているようです。とりあえずどんな仕事でも良いから旅行会社に入っておきたい!という方はチャレンジしても良いかもしれません。
旅行会社に就職する難易度は劇的に上がった

実際、旅行会社に就職する難易度は劇的に上がりました。理由は言わずもがな、コロナウイルスの流行によって旅行の需要が減少したからです。
元々旅行業界は人気の業界だったので、採用倍率は50倍〜100倍以上と言われていました。
実際に私が勤めていた中小規模の旅行会社も、約30人の枠に1万人以上がエントリーシートを応募したと聞いています。
業界でも採用人数が多いJTBやHISは2022年度の採用を見送っております。
そのため、昨年旅行業界を諦めて就職浪人した方や他業種に一旦就職した先輩方が、今年再度就職活動をする、というのも耳にすると思います。
こういった要因は、さらに旅行業界への就職難易度を上げたと言っても過言では無いでしょう。
旅行業界最大手で知られるJTBでも、2022年4月度入社の新卒採用は見送りが決定しています。
今も社員に仕事はあるの?

現在に至るまで、コロナの影響を受ける前と同じ仕事を行なっている人は極わずか。来店数の多い店舗で国内旅行を取り扱うスタッフくらいです。
では海外旅行専門の旅行会社や、そのほかの社員はどんな仕事をしているのでしょうか?
旅行会社 社員の現在の仕事
現在旅行会社で働くスタッフのほとんどは、旅行代理店が行政から受託した仕事をこなしています。
実際に今も旅行会社に在籍している元同僚に聞いた話はこんな仕事内容です。
国際空港の検疫所の手伝い
語学が堪能な人は海外からの渡航者のサポート・陰性証明書のチェック
コロナ陽性者や隔離中の人々が集まるホテルでのサポート業務
各市・区役所でのワクチン接種者の予約サポート
実際には旅行会社に在籍しながらも、他の職場に出向しているようなイメージです。
旅行の仕事とは…?という感じですが、旅行会社のスタッフも生活をするために必死です。
新型コロナウイルスのワクチン接種の事務を、大手旅行会社が請け負う動きが広がっている。膨大な仕事が見込まれており、予約管理や接客のノウハウを生かし、接種がスムーズに進むよう市区町村を支える。
若い人は転職してる人も多い
入社して1年〜5年以内のスタッフの中には、他業界に転職している人も多いです。
転職する理由としては以下のふたつ。
・いつ旅行の仕事ができるようになるか分からないから
・不安定な旅行の仕事が不安になったから
前者についてはまた旅行業界に戻りたいという意思があります。旅行の知識も手配経験もあるスタッフでさえも仕事が無いというのが現状です。
実際のところ旅行業界は元々離職率が大変高い業界なので、一定数のスタッフはコロナウイルスの流行に関係なく退社していたと思います。
私が新卒入社した会社の同期は3年以内に5割が退職、他業種に転職しました。
新入社員はどんな仕事をしているの?

2020年度・2021年度に旅行会社に入社した先輩たちは何をしているのか? 就活生の皆さんは特に気になりますよね。
先輩新入社員が行なっている仕事は「行政から受託した仕事をしている」「研修を続けている」のいずれかが多いようです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
行政から受託した仕事をしている
「今も社に仕事はあるの?」でもお伝えした通り、現在旅行会社で働くスタッフのほとんどは、旅行代理店が行政から受託した仕事をこなしています。
実際に私の元同僚の中に聞いた話はこんな仕事内容です。
国際空港の検疫所の手伝い
語学が堪能な人は海外からの渡航者のサポート・陰性証明書のチェック
コロナ陽性社や隔離中の人々が集まるホテルでのサポート業務
各市・区役所でのワクチン接種者の予約サポート
これは新卒入社の社員たちも例外なく従事しています。特に2020年入社の新入社員たちは、旅行の仕事に触れること無く2年目に突入してしまった、というわけです。
研修を続けている
研修というと聞こえはいいですが、要は1年目に行うはずだった手配方法を実践する場が無いので、ずっと研修として行なっているということ。
現場に立てないことのデメリット
旅行会社や配属先の店舗にもよりますが、新入社員もある程度の知識をつけたら現場に立って実際に営業や接客を行います。なぜかと言うと、旅行会社で必要な知識は毎日アップデートされるからです。
新しいホテルができた、ホテルの名前が変わった、新しいオプショナルツアーが増えた、飛行機のスケジュールが変わった、飛行機が飛ばなくなった…などなど。
このように必要な情報は常に新しくアップデートしていかなければならないので、座学でずっと研修していてもあまり役に立たないんです。なので、旅行の仕事を希望して入ったにもかかわらず、なかなか現場に立てていない新入社員の子を思うと胸が痛くなります。。
新規事業に参加している
最近の業界ではコロナウイルスによる大きなパニックは落ち着き、各社が新規事業を展開している印象があります。
私が以前在籍した海外専門の旅行会社も、国内旅行にシフトチェンジをしたり、SNSマーケティング等に力を入れ、その部署に新入社員の方が配属されているようです。
特に大手旅行会社の新規事業などを調べるときは、「PRtimes」で情報をチェックするのがおすすめですよ!
それでも旅行業界に行きたいなら

ここまで旅行業界の深刻な状況をお伝えしてきましたが、それでも旅行業界に入りたい!という場合はどうしたら良いのか。方法を2つ紹介します。
諦めずに旅行業界への就活をする
中には国内旅行しか取り扱っていなかったり、旅行以外にも鉄道や空路の手配が中心の部署だったり、ホテルサイトなどは、まだコロナウイルスの影響が少ないと考えられます。
旅行業界を軸として就職活動を行うことはおすすめしませんが、狭き門をくぐり抜けられる可能性は0%ではありません。
【おすすめ】他業種へ就職して旅行業界に転職する
元々旅行会社は慢性的に人手不足なため、他業種から旅行業界へ転職することは難しくありませんでした。
またせっかく苦労して旅行会社に就職したのに、旅行の仕事ができないという状況は避けたいですよね。
そのためにも他の業界で力をつけた上で、どうしても旅行の仕事がしたい!と思うのならば、旅行業界に転職して来るというのがおすすめです。
・でも旅行業界以外で自分に合ってる業界が分からない
・いつか旅行業界に就職するには、どの業種が良いの?
・それでもやっぱり旅行会社への就職が諦めきれない!
・とにかく客観的に大人の意見を聞いてみたい。
そんな人には新卒エージェント UZUZ がおすすめです!
もともと「UZUZ」は留学や休学などの理由で就活のスタートが遅れた方や、希望する業界の求人になかなか出会えずに就職に苦戦している方など、後期就活生をサポートしてくれるサービスです。
ひとりひとりに合ったキャリアカウンセリングを行い、プロのカウンセラーがES添削も受け放題。
この記事にたどりつき、ここまで読んでくださった方は、強く旅行業界への就職を希望されている方だと思います。
「いずれ旅行業界を目指したい」ということを伝えた上で、自分に合ったキャリア形成をサポートしてもらえたらなと思います。

旅行会社の就職難易度まとめ
旅行会社の就職難易度まとめ
- 旅行会社への就職難易度はかなり上がっている
- 旅行会社の社員でさえも旅行の仕事が無い状況
- 旅行業界から他業種へ転職した人も多い
- 新卒で入社した先輩も旅行の仕事に従事できていない
- 旅行業界への転職自体は難しく無いので、新卒で他業種に行ってそれでも旅行の仕事がしたかったら旅行会社へ転職するのがすすめ
私自身が職を失った経験もあり、旅行業界を希望する学生さんにはかなり耳に痛い内容だったと思います。
今回は旅行業界に進むことを諦めさせるわけではなく、現在旅行業界が置かれている状況を知ってもらうこと、旅行業界に進むのは新卒じゃなくてもできるということを知ってもらうことが目的でした。
ぜひ今の状況が落ち着いたら一緒に仕事しましょう!
